老齢基礎年金
保険料を納めた期間が10年(平成29年7月までは25年)以上ある人に、原則として65歳になってから支給されます。
受給資格期間とは
年金を受けるために必要な期間(受給資格期間)を満たすためには、次の期間が10年以上あることが必要です。
- 国民年金保険料を納めた期間
- 国民年金保険料の免除を受けた期間
- 納付猶予を受けた機関
- 学生納付特例期間
- 昭和36年4月以降の厚生年金や共済組合などの加入期間
- 第3号被保険者期間
- 合算対象期間(カラ期間)
カラ期間
カラ期間(合算対象期間)とは、老齢基礎年金の受給資格期間10年以上を満たしているかどうかを計算するときには含まれますが、年金額を計算するときには含まれません。
カラ期間(合算対象期間)として認められるのは、昭和36年4月以降の次の期間です。
- 会社員、公務員などの配偶者が任意加入しなかった期間(昭和61年3月まで)
- 20歳以上の学生で任意加入しなかった期間(平成3年3月まで)
- 厚生年金の脱退手当金を受給した期間
- 20歳から60歳になるまでの間に海外に住んでいた期間
年金額
満額で 777,800円(令和4年度)
この額は20歳から60歳になるまでの40年間、すべて保険料を納めた場合です。
保険料を納めた期間が40年に満たない場合は、その期間に応じて減額されることになり、次の計算式により計算した額が年金額になります。
加入可能年数は、国民年金に加入が義務付けられている期間で、昭和36年4月2日以後の生年月日の人は40年(20歳から60歳まで)です。
年金額の計算式
777,800円×保険料を納めた月数(保険料の免除期間がある場合は、免除の割合や期間に応じて減額されます)÷480月(40年)(昭和16年4月1日以前に生まれた人については短縮措置がとられています。)
受給資格期間の特例措置
国民年金が発足したのは昭和36年4月1日ですから、そのとき20歳以上の人は、60歳になるまでに40年間加入できませんので、下の表のとおり短縮措置がとられています。
資格期間及び加入可能年数
受給資格期間は10年(平成29年7月までは25年)です。
- 生年月日が昭和11年4月2日から昭和12年4月1日の方の加入可能年数:35年
- 生年月日が昭和12年4月2日から昭和13年4月1日の方の加入可能年数:36年
- 生年月日が昭和13年4月2日から昭和14年4月1日の方の加入可能年数:37年
- 生年月日が昭和14年4月2日から昭和15年4月1日の方の加入可能年数:38年
- 生年月日が昭和15年4月2日から昭和16年4月1日の方の加入可能年数:39年
- 生年月日が昭和16年4月2日以後の方の加入可能年数:40年
老齢基礎年金の繰り上げ・繰り下げ支給
老齢基礎年金は、原則として65歳から受けることが出来ますが、希望すれば60歳以後いつからでも受けられます。
ただし、64歳以前から受けると減額され、66歳以後から受ける場合は増額されることになります。
なお、一度減額・増額された支給率は生涯変わりません。
昭和16年4月2日以降に生まれた人の支給率(数字は%)
年齢 | 60歳0カ月 | 61歳0カ月 | 62歳0カ月 | 63歳0カ月 | 64歳0カ月 | 65歳(通常支給) |
---|---|---|---|---|---|---|
支給率 | 70 (昭和37年4月2日以降生まれの方:76) |
76 (昭和37年4月2日以降生まれの方:80.8) |
82 (昭和37年4月2日以降生まれの方:85.6) |
88 (昭和37年4月2日以降生まれの方:90.4) |
94 (昭和37年4月2日以降生まれの方:95.2) |
100 |
年齢 | 65歳(通常支給) | 66歳0カ月 | 67歳0カ月 | 68歳0カ月 | 69歳0カ月 | 70歳0カ月 | 71歳0カ月 | 72歳0カ月 | 73歳0カ月 | 74歳0カ月 | 75歳 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
支給率 | 100 | 108.4 | 116.8 | 125.2 | 133.6 | 142 | 150.4 | 158.8 | 167.2 | 175.6 | 184(以降同じ) |
繰り上げ支給額の支給率は、月数に比例し、ひと月あたり「0.5%(昭和37年4月2日以降生まれの方は0.4%)」減少します。
また、繰り下げ支給の支給率は、月数に比例し、ひと月あたり「0.7%」増加します。
繰上げ支給をする人は
- 特別支給の老齢厚生年金は支給停止になります。 ただし、生年月日が昭和16年4月2日以後の人は、一定の額が減額されますが、併給出来ます。
- 遺族厚生年金・遺族共済年金とは65歳まで選択になります。
- 障害基礎年金・寡婦年金は受けられません。
- 厚生年金・共済組合に加入すると支給停止になります(ただし、昭和16年4月1日以前生まれの人が対象)。
- 請求後は高齢任意加入は出来ません。
更新日:2023年05月02日