令和7年度行政視察研修を踏まえた提言書を町へ提出

更新日:2025年09月24日

町へ提言書を提出しました

令和7年7月に実施した総務厚生常任委員会及び産業教育常任委員会の行政視察研修を踏まえ、令和7年9月19日、町へ提言書を提出しました。

スーツを着た5人が横一列に並び、杉山町長と村松委員長、櫻井委員長が一緒に提言書を持っている写真

写真左から、杉山町長、大竹議長、根本副議長、村松委員長、櫻井委員長

提言書

本議会では、総務厚生常任委員会及び産業教育常任委員会での行政視察研修結果を踏まえ、提言を行うとしたところです。地方自治における二元代表制の一翼を担う議会として、町民の行政需要に的確に対応すべく、執行機関に対するチェック機能(監視けん制)に終始することなく、政策提言を行うことは、町政の発展、町民の福祉向上にとって極めて重要であると認識しております。

つきましては、本提言が両常任委員会の総意の下にまとめられたものであることを真摯に受け止められ、今後の町政運営に取り組まれますよう提言いたします。

令和7年9月19日

会津美里町長 杉山 純一 様

会津美里町議会議長 大竹 惣

行政視察研修内容

総務厚生常任委員会 日程:令和7年7月15日から17日

神奈川県葉山町 「議会業務継続計画(BCP)の策定について」
「地域防災計画に係る改正について」
「女性防火防災クラブ育成事業について」
「自主防災組織支援事業について」

埼玉県さいたま市「消防団員の確保について」
「女性消防団員の入団促進と活動内容について」

埼玉県久喜市 「自主防災組織について」

産業教育常任委員会 日程:令和7年7月9日から11日

栃木県壬生町 「道の駅みぶについて」「みぶブランドについて」

群馬県上野村 「森林資源の活用について」

栃木県益子町観光協会「城内坂通りを中心とした賑わい創出について」

提言内容

1.地域防災計画に係る改正について
神奈川県葉山町では、防災会議委員(警察・消防・自衛隊・土木事務所等の関係機関)が年に1度、防災会議を開催している。その最たる理由は、顔の見える関係を構築する事で有事の際の連携力強化・向上を共通目的とし意見を出し合う事で、より実用的な計画の策定に繋がり「ただあるだけ」の計画ではなく、活用できる計画となっている。令和4年度の改正では、南海トラフ巨大地震での想定震度は5弱だが、地震津波対策計画編で遺体安置所の変更に加え、南海トラフ地震防災対策推進計画の修正を行った。なお、令和5年度及び6年度は、備蓄品に係る確認であり軽微な修正である。
例年開催していた総合防災訓練は、令和5年度から「防災フェア」としてリニューアルし、町内の小学校持ち回りで開催し、警察・消防・自衛隊ブースをスタンプラリー形式で周り、防災グッズや簡易トイレなどを配布する事で、リニューアル前に比べ3倍以上の参加者となっている。また、希望する小・中学校には防災に係る出前講座を行っている。
神奈川県葉山町及び同じく行政視察研修を行った埼玉県久喜市においては、防衛省の「地域防災マネージャー」制度で退官した元自衛官を採用しており、さらに消防本部を有している事で現役の消防職員も兼務職員をしている事は、防災の分野において知識が豊富であり、その体験談を伺うことで、住民の防災意識の向上に大きく寄与している。そこで、次のとおり提言する。
(1)防災会議を必ず毎年一回開催し、災害に応じた精査をおこない内容を再検討し、改善を図ること。
(2)災害に対しての知識豊富な人材確保の観点からの、防衛省の「地域防災マネージャー」制度の活用を図ること。
(3)町民の防災意識向上の為にも、防災訓練だけではなく「防災フェア」のような、町民が参加しやすい事業の実施について検討すること。

2.自主防災組織育成について
神奈川県葉山町においては、自主防災組織は町内28組織、埼玉県久喜市では173組織にて活動しているが、両市町は住民の災害意識が高い事、葉山町と同じく自衛官OBが中心となり設立の必要性や説明を行う事で組織数の増加に繋がっている。また、久喜市ではマンション住民での自主防災組織もあり、知事表彰も受けている。本町においては設立時のみの補助であるが、葉山町は資機材購入事業、視察事業や組織リーダーなどの研修育成、訓練奨励金制度を実施しており、組織設立後の補助も充実していることで組織力強化に繋がっている。本町においても災害時の速やかな初動体制の構築には継続した支援制度の構築が必要である。
そこで、次のとおり提言する。
(1)自主防災組織設立後は、災害時の自主的な行動ができる人材育成や資機材購入が必要となることから、組織設立後の継続した補助支援を図ること。

3.女性消防団員の入団促進と消防団員確保について
埼玉県さいたま市消防団員数は条例定数が1,432名、現団員数1,103名で充足率84.5%であり、本町の定数850名と比べると人口で比べれば非常に少ない団員数である。団員報酬も低いが充足数が高い要因の一つには、住民が常に「首都直下地震」を想定している事がある。女性消防団員数は平成28年度65名だったが、毎年増加し現在107名となっている。107名中33名は広報指導分団(消防団本部付)に所属しており、残り74名は通常の分団所属となっているが令和10年には女性消防団員140名を目指し、広報活動の充実強化を行っている。本町においても女性活躍社会の中において、積極的に女性消防団員の入団促進と消防団員確保の必要性がある。
そこで、次のとおり提言する。
(1)男性・女性消防団員の加入に向け、町広報紙やLINEを活用し広報活動の強化を行い、加入促進を図ること。
(2)今後の女性消防団員加入体制の為、年次計画で屯所改修を行い、女性専用のトイレや更衣室の設置などを考慮した設計を取り入れ整備を図ること。

4.森林資源の活用について
群馬県上野村は、総面積18.185haのうち17.356ha(約95%)が森林である。人口990人(Iターン21%含む)でありながら、150人の雇用を生み出し年12億円の経済効果を上げるなど、森林資源を100%活用し2030年までに家庭電力を100%賄う地域経済循環計画が進んでいる。
産業教育常任委員会では、木質ペレットによる「バイオマス発電施設」及び、発電施設から電力と温水を供給する「きのこセンター」や「温泉施設」を視察した。この村づくりは約50年前にさかのぼり、村長自ら国に掛け合い国を動かし、「林業の6次産業化」に取り組んだことが始まりである。また、上野村木工技術研修制度を確立し、木工後継者の育成を図り、今では木工業に携わる24人で年間1億円を売り上げ、森林資源を余すことなく使い切っている。
そこで、次のとおり提言する。
(1)「会津美里町森林資源活用ビジョン」の実現促進に向け、さらなる理解醸成を図ること。
(2)森林開発を活発にすることで雇用創出と鳥獣被害防止に繋がると考えられることから森林資源の有効活用に注力すること。
(3)循環型を目指す森林資源の活用について、町民が取り組める具体例を示すこと。

5.伝統工芸を中心とした町賑わい創出について
益子焼は会津本郷焼よりも歴史は浅いが、地域には約400の窯元(益子町においては200以上)があり、若い後継者、女性作家、新進作家の斬新な作品が町内の店舗で展示販売されている。年2回の陶器市には、約60万人が訪れ、中心となる城内坂通りは昭和30年代の民芸ブームに乗り、昭和41年に民営の「共販センター」設立によって観光客が劇的に流入し、「何もしなくても人が来ている」といわれるほど焼き物店が増えた。30年ほど前の区画整理事業により、道幅の広い歩道、電線地中化が実施されており、現在その延伸が検討されている。平成29年に「益子焼を使おう条例」を制定し、プロモーションに取り組んでいる。令和2年には、笠間市と共同で「かさましこから兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”から」が日本遺産に認定された。研修会場となった益子焼のギャラリーでは、日用雑器が美術品のように工夫を凝らして展示され、焼き物への深い愛情が伝わるようであった。
そこで、次のとおり提言する。
(1)魅力ある町づくりの核となる人材の確保と育成に注力すること。
(2)本郷焼の販売促進は、「本郷せと市」が主たる取り組みとなっているが、町内外で実施されるイベント等での展示販売、PRに努めること。

6.町特産品のブランド化について
栃木県壬生町では、特産品のイチゴをはじめ加工品開発に注力し、加工場の整備を進めるとともに、町独自の認定制度を設け、「みぶブランド」を認定している。町の特産品であるかんぴょうのPRに力を注ぐなど、町内外の評価と知名度向上による町の経済発展を狙う。
そこで、次のとおり提言する。
(1)地域内外の評価と知名度向上による町の経済発展を狙う観点から、地域振興につながる農作物等を町の特産物としてPRすることや新たな加工品の開発と町独自のブランド化に向けた認定体制の確立を図ること。

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