メニューにジャンプ コンテンツにジャンプ

トップページ > あいづみさと 美の旅ガイド > 伝統を守る人々 > さくさくの美味しさを追求する、手焼き高田せんべい職人。

さくさくの美味しさを追求する、手焼き高田せんべい職人。

更新日:2017年02月27日

004-山喜屋-01 

会津美里町の高田地域には「高田」の名を冠する名物が受け継がれています。そのひとつに数えられるのが、さくさくという軽い口当たりで愛されてきた高田せんべい。その発祥ははっきりしませんが、もとは伊佐須美神社のお札にあやかったお土産として販売されていたそうです。戦時中に原材料不足で途絶えたものの、戦後に復活。高田地域の街なかでは、そんな伝統の味に魅せられた職人が丁寧な手仕事に取り組み続けていました。その職人とは山喜屋を営む横山正弘さん。2012年から始めたという比較的新しいお店ですが、いまでは町で唯一の手焼き高田せんべいとして人々に親しまれています。

刻々と変わる生地や火の具合に合わせ、均一に仕上げる職人技。

 004-山喜屋-02

使うのは地元産のコシヒカリ。七輪に備長炭を入れ、約800℃で手焼きします。温度が低いと水分の飛び方が変わり、軽い食感が出ないそうです。見ているだけでは難しく感じませんが、せんべいの状態は1枚1枚違います。その日の温度、湿度、天候だけでなく、生地の厚さや濃さ、火の具合も別物。同じ焼き方でも同じせんべいにはなりません。その奥深い世界に「一日中やっていても飽きないですね」と横山さんは笑います。横山さんによると、職人は究極の出来を追求しますが、それが実現できても次を考えるので終わりがないそうです。「手作業ならではの世界。いろいろ試しながらやっています」。

師匠の勘をひとつひとつ数値化。軽い口当たりととろける食感を継承。 

 004-山喜屋-03

山喜屋の高田せんべいは、もともと別の職人の手ほどきを受けたもの。横山さんがよく買いに行っていた、川島菓子店の故・川島要一さんの技を受け継ぎました。2012年に川島さんが引退すると聞き、その味が好きだったこともあって継承を決意。川島さんは職人の勘を頼りに作るため、その感覚が分からず苦労させられたたそうです。粉と水の割合、生地の蒸し具合、焼き方などを数値で明確にしながら見当を付けていきました。そんな川島さんのせんべいは口当たりが軽くてさくっとする半面、口に入るとふんわりとろけるのが特徴。二つの食感が両立しているせんべいは、あまりないそうです。

愛されてきた地域の味と技を、より多くの人々へ広めたい。

手間の掛かる仕事に「正直、採算は厳しい」と笑う横山さん。他の事業も経営しているため、何とかやれているのだそうです。継承時、川島さんからは「地元の人でも買える値段に」と言われました。その川島さんも2013年に亡くなりましたが、山喜屋では現在も1袋数百円で販売しています。今後の展望を尋ねると「会津のお土産品の中で、もっと存在感が出せれば。いまはうちを含め2軒だが、昔のように高田せんべいのお店が増えるといい」と前向きな言葉が返ってきました。現在は焼き方を学んでいる女性もいるのだとか。地域の味と技を受け継ぐ動きは、少しずつ前に進んでいるようです。

このページに関するアンケート

情報は役に立ちましたか?
このページは探しやすかったですか?

注意:寄せられた意見などはホームページの構成資料として活用します。なお、寄せられた意見等への個別の回答は、行いません。住所・電話番号など個人情報を含む内容は記入しないでください。